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気候・異常気象
2026.01.26
海の温暖化・最高レベルに


異常気象、海水面上昇拡大へ

地球の地上の3年平均気温が昨年過去最高になったと1月16日に配信しましたが、海面の温度も2024年から2025年にかけ観測史上最高レベルになっていることが、世界気象機関(WMO)などの調査で確認されました。
WMOによると、全世界の海域の33%で1958年の観測開始以来トップ3の海面温度が確認できたほか、熱帯・南大西洋、北インド洋、地中海などを含む57%の海域でトップ5の水温が観測されました。
地球温暖化の余分な熱の約90%は海に吸収されるといわれます。海水温の上昇は温暖化の悪化を示す重要で信頼性の高い指標でもあり、その上昇加速による異常気象や海面上昇が拡大しそうです。

海の蓄積熱量急増

上のブラフは1992年から2024年までの海面から海底までの海洋熱量の月間変化を記録したものです。衛星や海洋観測器、コンピュータモデルなどの結果を統合し、熱量(縦軸)はゼタジュール(※)で表記してありますが、2015年以降、海洋に蓄えられた熱量が急速に増加していることがわかります。

中国科学院大気物理研究所の調査では、2024年から2025年にかけ世界の海面から2000mの海洋熱量は2024年と比較して約23±8ゼタジュール増加したとしています。この数値は2024年の世界の総発電量の約200倍に相当する膨大なエネルギーです。

同調査では、2025年の世界の平均海面水温は1981年から2010年の基準値より0.49℃高く、2024年より0.12±0.03℃低くなりました。2025年が一時的な海面冷却を伴う寒冷化のラニーニャ現象で始まったためですが、それでも記録上3番目に高い海水温だったと報告されています。


(※)ゼタジュール(Zettajoule:ZJ)=エネルギーや仕事、熱量を示す単位のジュール(J)に10の21乗倍を示す接頭辞(zetta)がついた単位。世界全体のエネルギー消費など非常の大きな量を表示するのに使われます。

大気中の温室効果ガス濃度の持続的な増加により、海洋の温暖化は加速しています。

この海洋の温暖化と地上の気温上昇が、主要な海流の変化を生むなどして、巨大台風やハリケーン、熱波や豪雨、異常気象の要因となっています。

海面水位も上昇加速

海洋では温暖化により熱膨張が発生し、また極地の氷床や氷河の融解も加わり海面の上昇を招きます。
衛星観測の始まった1993年~2002年の海面水位の上昇は、平均年間約2.1㎜でしたが、2015年~2024年はその平均が年間約4.7㎜と倍以上になっています。

海面水位はこのままでは上昇を加速し、今世紀末(2100年ごろ)までに更に数十cm~最大1mも高まると予測する研究もあります。

このような海水位上昇は沿岸地域の洪水、塩水侵入による飲料水や農業用水被害、サンゴ礁の白化など生態系への影響が懸念されています。

海洋温暖化を生む熱は、2000mもの深層にまでも蓄積され数十年から数百年に放出されません。影響は将来世代にも続くため「気候変動の時限爆弾」ともいわれます。