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プラスチックはどのようにして人に健康被害を与えるのか。各方面から調査研究が進んでいますが、その成果を基に人体への影響の可能性をまとめます。
プラスチックそのもの(固い素材)だけでは通常すぐに健康被害を起こしません。しかし1.プラスチックに含まれる化学物質(添加化学物質の危険性)、2.劣化して生じる微粒子、焼却・分解で出る有害物質(プラスチック自体の危険性)の両面から健康被害の可能性が指摘されています。____________________________

これらが食べ物や飲み物、皮膚接触を通じて体内に入ると、ホルモン・脳・免疫・生殖系に影響を与える恐れがあります。この中で危険性が指摘されているのが内分泌かく乱物質(環境ホルモン)です。これがホルモンの動きを乱し、体の調節システムを狂わせる可能性があると指摘されています。
添加剤の影響はまだ研究途上ですが、具体的には以下のリスクが挙げられています。
(1) 生殖・発達への影響
• 精子数の減少、精子の運動性低下
• 不妊リスク上昇
• 子どもの性器発達の異常(停留精巣、尿道下裂など)
• 思春期の早発または遅延
(2) 代謝・内臓への影響
• 肥満、糖尿病リスクの増加(脂肪細胞を増やす作用が報告)
• 脂質代謝の異常(高コレステロールなど)
• 非アルコール性脂肪肝のリスク上昇
(3) 神経・行動・認知への影響(特に胎児・乳幼児)
• ADHD(注意欠如・多動症)のリスク上昇
• 学習能力や記憶への影響の可能性
• 情緒・行動の変化
(4) 免疫・アレルギー
• 免疫バランスの変化
• アレルギーや喘息リスクとの関連が示される物質もある。
その他 ホルモン関連がんのリスクや、 甲状腺機能への影響も指摘されています。
これらの障害、影響を受けやすいのは発達段階にある胎児、乳幼児、妊婦やホルモン感受性が強い人で、実態把握の調査、研究が急がれています。
2.プラスチック自体の危険性
プラスチックはそれ自体劣化、摩耗し微小なマイクロプラスチック(5㎜以下)、ナノプラスチック(1μm未満)として人の体に取り込まれます。
体に入る主な経路としては
• 飲食物(容器やペットボトル、缶の内側コーティングから溶出)
• 皮膚吸収(柔らかいプラスチック製品など)
• 室内のホコリから吸入(難燃剤など)
などが挙げられます。
この結果として、異物として免疫反応を招き炎症を起こす。あるいは細胞内まで入り損傷を生む。脳、肺、腸、肝臓などに入り蓄積する、などが確認されています。
3.健康被害は未確定だが
プラスチック本体あるいは添加剤よる健康被害の多くの研究、調査は動物実験や疫学的調査によるもので、人体における因果関係の確定にまでまだ至っていません。しかし健康被害を推定させる同種の報告が続いており、プラスチック容器の使用を制限するなどの現実的な対策は喫緊の課題になっています。