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オーストラリアで1月以来、観測史上最高の50℃前後の熱波が広範囲で発生し、南東部を中心に異常気温が続いて山火事の被害などが出ています。

熱波とは、ある地域で平年より著しく高い気温が数日以上続く現象です。南オーストラリア州やニューサウスウェールズ州、ビクトリア州などで最高気温が50℃近くまで達した地点も報告されています。数十ヶ所で最高気温の記録更新があり、夜間も熱が下がらず過酷な条件が続いています。
この熱波の影響で停電・電力需要の逼迫が発生し、各地で数千〜十万戸を超える家庭が一時的な停電に見舞われています。
高温と乾燥で山火事が多発・拡大し、住宅や広大な森林が被害を受けています。
50℃前後になると、人体の冷却機能が破綻し、短時間で熱射病(熱中症の中でも最も重い症状)や臓器不全を起こす危険が高まり死亡にも至るとされ、「生存限界ゾーン」ともいわれます。
動物や人間の健康への影響も深刻で、熱中症や動物の大量死などの報告も出ています。
南半球にあるオーストラリアは1月から2月は夏のピークであり、日射量が非常に高い時期です。このため「熱ドーム」と呼ばれる大規模な高気圧が国内に停滞し、熱を閉じ込める現象が続いていることが熱波の原因とみられています。
通常の季節パターンとしては、北部からのモンスーンが熱を冷ます役割をしますが、今年はそのモンスーン活動が弱く、熱が蓄積しやすい状況が続いています。
さらに地球温暖化の影響も指摘されています。
世界各地がこれまでにない高温傾向にあり、2025年はオーストラリアでも平均気温が過去最高レベルに近い値になりました。
熱波が強くなる背景としては、熱ドームだけでなく、南極上空や大気全体の循環パターンの変動も影響している可能性が指摘されています。
オーストラリア周辺の海水温も長期的に高く推移しており、海洋熱波が続いている地域もあります。高い海水温は大気の熱エネルギーを供給し、熱波を長引かせる要因になります。
このような要因から、今回の熱波は今年だけでなく、今後も常態化する危険性を秘めています