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汚染・廃棄物
2025.12.19
マイクロプラスチックが「トロイの木馬」

大気、海洋で汚染拡散リスク


マイクロプラスチック(粒径5mm以下の微小なプラスチック)は、単に物理的に害を及ぼすだけでなく、有害化学物質を生物体内に運ぶことが懸念されています。プラスチックには、耐久性や安全性を高めるために「紫外線吸収剤」や「難燃剤」などの添加剤が高濃度で含まれています。これらは通常、プラスチック内部に練り込まれており、環境中では簡単に溶け出しません。


しかし、海洋生物などがマイクロプラスチックを誤って摂取すると、消化管内の油分や界面活性剤、消化液などの作用によって、これらの添加剤がプラスチック内部から溶け出し、生物の体内に吸収される可能性があります。
またマイクロプラスチックそのものでなく、そこに付着している有害化学物質も最近注目されています。インドなどでの研究が指摘していますが、発がん物質や生殖能力やホルモンバランスに影響を与える可能性のある内分泌かく乱物質が確認されています。


このように、プラスチックが化学物質の「運び屋」となる現象を、ギリシャ神話の逸話になぞらえて「トロイの木馬効果」と呼びます。予想もつかないリスクを運ぶためにこう呼ばれるのですが、どのような化学物質がどの程度人の体内に取り込まれているのか、まだ研究、調査の途上です。
富士山山頂や北極の大気中でもマイクロプラスチックが確認されています。
一方で、マイクロプラスチックには発がん物質のほか、微生物のコロニーが形成されていたとの最新研究もあります。病原体の媒介物にもなりうるのです。
地球規模の大気循環に海洋での循環と、マイクロプラスチックの「トロイの木馬役」の調査研究も急がれます。